答えなき不安に耐える
- lapinカウンセリング
- 2020年5月29日
- 読了時間: 3分
こんばんは。カウンセリング担当の小口千英です。前回ブログに書きました帚木蓬生さんの『ネガティブ・ケイパビリティ』について、ご本人のインタビュー記事が読売新聞の記事になっていました!
やはりご本人もこのコロナ禍を生き抜くヒントに『ネガティブ・ケイパビリティ』という概念を挙げています。『ネガティブ・ケイパビリティ』とは、手頃な答えに飛びつかず、分からなさ、不思議さに耐え、中ぶらりんな状態に踏みとどまる能力という意味だそうです。
現役の精神科医でもある帚木蓬生さんは精神科治療における医師としての態度としてこの『ネガティブ・ケイパビリティ』という概念を支えにされてきたそうです。
さらに新型コロナウイルス感染拡大防止のため外出自粛生活を協力してきた国民の頑張りをねぎらいつつも、ギャンブルにアクセスしやすくなってしまった自粛生活を懸念されていました。
ニュースにも取り上げられていたパチンコ屋に集まる人々はギャンブル依存症の人たちに見えたと…
競馬などの公営ギャンブルもネット投票が出来るようになり、このアクセスのしやすさが更に依存症を引き起こしてしまうのではないかと…
外出自粛や密を避けるため、自助グループのミーティングも中止されてしまい、依存症と闘っている人たちは独りで耐えなくてはならない状況になってしまいました。同じ境遇の仲間はギャンブルのない一日を過ごすための心の支えでもあります。仲間に会えない孤独が再びギャンブルに手を出してしまう恐れに…
ただ、ギャンブルのネット投票がいとも簡単に行えるなら、自助グループの集会だってネットを利用したら良いのではないでしょうか!
外出自粛で新たな生活様式が叫ばれ、働き方や販売方法が見直されています。それに追随する形でケアの方法や治療方法も新たな様式で行われてもいいと思います。
今回のパンデミックで『自分が本当に大切なもの』が見えてきた人も多いのではないでしょうか?外出自粛で断捨離が進んだという話もよく聞きますが、それも本当に必要なものを選別したということです。人間関係も清算され、惰性で続けてきたことにけじめをつけ、本当にやりたかったことに集中出来るようになったかも知れません。
より洗練された人々が増えた世の中は果たして生きやすくなるのか、それとも生きにくいのか。
数年後の自分に聞いてみたいものです。
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